今月3日の文化の日、初めて大倉集古館に国宝普賢菩薩をみにいった。大倉集古館の普賢菩薩は東博の「名作誕生展」で見ており、スポットライトにあたった截金文様がきれいに残る平安仏だ。前の週に行った神谷町駅から坂をあがると中国風の建物がみえて来た。入場券を購入して上人像などを見てから2Fの展示室に古いエレベーターで向かった。普賢菩薩は東博で見た展示ケースに収まったいたので鑑賞した。ネットに名品図録解説として「普賢菩薩は『法華経』を信仰し受持する者を守護するとされ、その信仰が特に隆盛した平安時代中期から後期にかけて、多くの優れた画像や彫像が製作された。特に女人往生の典拠となった同教は女性貴族の間であつい信仰を集めた。(中略)保存状態は総じて良好で、本体はもちろん、台座の蓮華や象、その下の框にいたるまで造立当初のものである。鮮やかな彩色や着衣の各部にほどこされた細線な截金文様も、この期の華麗な趣をよく残している。頬から顎にかけてふっくらと膨らんだ面貌や、全体が丸みを帯びて小ぶりに造られた体躯の表現などは童子を思わせながら、顔立ちは崇高さえをたたえ、腕前で合掌する姿は敬虔で静謐な趣を際立たせる」山本勉先生は円派と断定しており、平安時代の貴族の女性の思いを一身に受けた菩薩像をいつまでも眺めていた。最近リニューアルされた地下のミュージアムショップで普賢菩薩のクリアファイルを購入し、大倉集古館をあとにした。
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