2021年4月10日土曜日

特別展「横浜の仏像」⑪(證菩提寺阿弥陀如来)

 

最近、山本勉氏のツィターを見ていると鎌倉国宝館館長を拝命したとのこと。この證菩提寺阿弥陀如来を初めて見たのが鎌倉国宝館で「古都鎌倉と武家文化」展での展示だった。その時は頼朝の忠臣の菩提を弔う仏像とされていたが、山本館長お得意の阿弥陀三尊左脇侍台座銘文に江戸時代寛永から460年前との記述がされたことで、以前は他のお寺にあった仏像を證菩提寺に移したとのこと。講演ではわかりにくかったが、山本館長執筆のコラムによると證菩提寺阿弥陀如来はもとは鎌倉寿福寺の境内に三浦一族の岡崎義実が平治の乱で死んだ源義朝の菩提を弔う仏像であった。頼朝が源義朝供養のため勝長寿院を建立したため、岡崎義実が息子義忠の菩提を弔う證菩提寺を作り、そこに移り転用され義忠供養の阿弥陀三尊となった。本展では阿弥陀如来のみ出展されガラス越しだがすぐ近くで拝観することができた。運慶以前の慶派仏師によるものだろうが山本館長も仏師特定に至っていない。また古文書の発見により明らかになることを期待する。

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