特別展「相模川流域のみほとけ」⑦(茅ケ崎宝生寺阿弥陀三尊)
昨年いった相模川流域のみほとけ展では身近な町の珍しい仏に出会うことができた。昨年の夏、定年退職記念に旅行した広島での隠れたテーマが「一光三尊像に出会う」だった。尾道では法事のため厨子が閉まっており見ることができなかったり鞆の浦では修復のため脇侍が出されており出会えなかった。予備知識なしに「鎌倉時代の仏像」のコーナーで鑑賞しているとその仏像は突然現れた。思わず、「梵篋印(ぼんきょういん)」と叫んでしまった鎌倉時代の善光寺式阿弥陀三尊で光背がないので一光三尊像ではないが、もとは光背もあったかもしれない。相模国風土記には高麗仏との記述があり中央に阿弥陀立像。横に観音と勢至。広島で出会えなかった「チャングムの誓い」に朝鮮王朝の挨拶の仕方ででてくる両手を横にしてちがいに合せる梵篋印(ぼんきょういん)を組んでいるではないか。また宝冠はシンプルな帽子のようなものをかぶっており探し求めた仏像だった。鍍金の仏像だがほとんど剥げており、当初は東博法隆寺宝物館でみたような金色相に覆われただろう。図録によると勢至菩薩に火を受けたあとが見られるとのこと。やはり鍍金に覆われた当初の一光三尊像が見たかったと思いながらひとり興奮して次の作品に向かった。
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