特別展「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」⑤(定慶の六観音)
私が初めて大報恩寺を訪れたのは、平成21年紅葉真っ盛りの京都で、霊宝殿で見た六観音の素晴らしさに感動し、そのあと本堂釈迦如来の御開帳のおりにも拝観した。昨年東博で大報恩寺展が開催されより深く知ることができた。大報恩寺には由来不明の仏像が多く、この六観音もそのひとつであるが、展示では近くの足利義満創建の北野経王堂の洛中洛外図の展示もあり、この六観音が北野経王堂から移座されていることを示唆している。会場では六観音の光背を外した展示がされており右から如意輪・准胝・十一面・馬頭・千手・聖観音となっている。作品は肥後定慶の統率のもと門下の仏師と快慶一門や他の慶派の仏師が総動員で鎌倉時代に製作された。このなかで准胝観音のみ定慶の墨書があり彼自身が携わって製作されたとのこと。学芸員の皿井氏によると「運慶と作風が非常によく似ていて、頬のふっくらした丸み、その柔らかさまで伝わってくるような立体、質感表現の巧みさは運慶八大童子にも見られる」とのこと。カメラスポットである聖観音像の写真をとり、最後の展示に向かった。
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