2016年5月4日水曜日

秋篠寺の梵天

平成25年に「なら仏像館」を訪れた際、奇託品の秋篠寺梵天に出会った。秋篠
寺は「東洋のミューズ」といわれる伎芸天で有名なお寺だが、この梵天も同じく頭部は奈良時代の脱活乾漆造、体は鎌倉時代の木造という仏像だ。お寺の伝承では梵天になっているが、体は甲(よろい)をつけた上に条帛(じょうはく)をかけ裙(くん)をつけており、帝釈天を思わせる仏像だ。秋篠寺には帝釈天も伝わっており、よくある取り違えのように思われる。当時はうす暗いガラスケースのなかでの展示だったが、すばらしい造形に圧倒された記憶がある。こちらの日本仏像展に出展されるとの事、鎌倉時代の仏師の技術の高さに多くのイタリア人が感嘆することだろう。

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