九州仏③浮嶽(うきたけ)神社
私が九州仏探訪のきっかけとなったのが、井上正氏の『続・古佛』という本に出会ったからだ。サイトで紹介されて知ったのだが、たまたま近くの本屋にあり購入した。浮嶽神社の欄には白黒だが、仏像の写真があり神像のような雰囲気の像だった。その後九州仏展の図録や実際に現地に行って来た人のブログを見て実際に会いたいと思っていた。神社に予約して収蔵庫を開けてもらった。立像の菩薩と地蔵尊、座像の伝薬師如来と阿弥陀仏があり、圧倒的迫力で迫ってくる。右端の如来立像は「続・古佛」によると頭部が小さく、腰以下を長く設定した異常なプロポーションで、唐招提寺木彫像や元興寺薬師如来などにみられる典型的な奈良式のプロポーションに属するとある。このことから著者の井上氏は製作年代を八世紀とみている。地蔵の袖口は、大きな口をあけて風をはらむかのようである。如来坐像は左側面から背面にかけての衣文はダイナッミックな動きを見せる。ここ九州で1番大陸の風を感じた仏像郡だ。じっくりと拝観し次のお寺に向かった。
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