林小路町自治会の弥勒菩薩立像
今年の春、奈良国立博物館で印象に残ったのが、この弥勒菩薩立像(みろくぼさつ
りゅうぞう)だ。鎌倉時代の仏像の像高の計り方は、髻の天辺まで数えて3尺(1メートル余)あり、蓮華の台座が二つに割れる踏割蓮華(ふみわりれんげ)に乗っている。踏割蓮華は仏が歩いたところに花が咲くことを表現した台座で、東博の観音菩薩立像も踏割蓮華だ。髪などを除きほぼ全身、快慶が得意とする金泥(きんでい)塗りで、そこからも快慶工房の作風に近いといわれている。着衣部分には繊細な切金文様を施している。この仏像は林小路自治会から奈良博に預託されている仏像で、鎌倉国宝館の十二神将のように人々により大切に守られてきた仏像なのだろうか。来春には休館中の鎌倉国宝館の十二神将が奈良国立博物館で展示される。ふたつの仏像の競演が楽しみだ。
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