2022年10月15日土曜日

「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」④曹源寺十二神将

 


特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」でも金沢文庫運慶展のときと同じく曹源寺十二神将が展示されていた。運慶は浄楽寺の仏像を造ったあと東大寺造仏までの7年間の足跡が不明であることで知られているが、仏の瀬谷さんの考察では永福寺の薬師如来と十二神将を鎌倉殿の命で造っていたという。曹源寺十二神将はそのコピーだという。当時は彼ひとりの独走の説といわれていたが、東博ミュージアムに奥建夫氏(当時文化庁)の説が出て俄然自信を深めたようだ。十二神将のうち巳神だけが頭ひとつ大きく造られており、出来栄えも突出している。誰か巳年生まれの貴人の守護神的意味があるだろうと思われていたが、奥氏は中世には生まれた年より生まれた時刻の干支が重視されていたこと、その貴人が源実朝に他ならないと指摘した。鎌倉殿源実朝の十二神将だという。調子にのった瀬谷さんは永福寺の出土した鬼瓦から永福寺総合プロデュースは運慶だと断言する始末だ。真偽は別としてもそう考えると楽しい展覧会だった。


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