2021年4月24日土曜日

特別展「横浜の仏像」⑬(保木薬師堂薬師如来)

 

運慶仏の時代で山本館長が最後に紹介したのが、青葉区保木薬師堂の薬師如来だ。以前から私も注目していた仏像で普段は神奈川歴史博物館に寄託されており年1回保木薬師堂に里帰りする仏像だ。一目みて鎌倉仏のいい顔をしており、慶派の影響を受けた仏師が製作したことがわかる。山本館長の講演によると玉眼がとれた穴からのぞくと仏師尊永作で承久3年(1221年)製作とわかる貴重な仏像だ。承久3年は後鳥羽上皇が鎌倉と争った承久の変まっただ中であり、運慶最晩年のころだ。神奈川歴博の神野氏によると構造は寄木造とし頭と体幹部は前後二つに分け前半部分を中心で左右にわけており、螺髪は別材で貼り付けている。表面の古色塗りは後補とのこと。以前は玉眼を内側からあてていたが、今は脱落しているとのこと。世の中が落ち着いたら里帰りの日にお寺を訪ねたいと思う。

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