2021年2月13日土曜日

特別展 横浜の仏像②(松蔭寺如来坐像)


横浜の仏像展は山本先生の監修で構成されているが、時代別に横浜の仏像が陳列されている。「仏像史の曙光 」のコーナーは飛鳥時代・奈良時代の貴重な仏像が並んでいる。まず最初に紹介するのが、松蔭寺如来坐像だ。山本先生も図録掲載の「横浜仏像序説」の中で「飛鳥時代末期にさかのぼる金銅仏の遺品である。鋳造技法も中央の作例に遜色なく、市域はもちろん神奈川県下でも最古の仏像として貴重このうえない」と述べている。像高は25センチ余りと小像ながら裳掛座・短い腕・体の比率に比べて大きい手や足は止利派の金銅仏に見られ、童顔童形の金銅仏とも共通性が見られる。東博法隆寺宝物館で多くの小金銅仏を鑑賞したが、その仏像に様式が似ていると感じた。また図録執筆者の神奈川県歴博の神野氏に国宝深大寺釈迦如来に代表される初唐様式も入っており止利派と初唐様式の折衷的な仏像とみられるとのこと。またミズノ先生の言われている河西回廊のある涼州式偏袒右肩(りょうしゅうしきへんだんうけん)も初唐様式の特徴でこの仏像でもあらわされている。どのような経緯で古代の横浜に伝わった興味がつきない。まだまだ見たことがない仏像が続くので次の展示に向かった。


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