2019年10月11日金曜日

特別展示 奈良大和四寺のみほとけ⑧(安部文殊院の文殊菩薩)

奈良大和四寺のみほとけ展では本尊は奈良を訪ねてお参りくださいという
コンセプトであったが、私はすべての本尊を拝観済みだ。その中で一番印象に残っているのが、快慶作安部文殊院の文殊菩薩だ。みうらじゅん氏・いとうせいこう氏のトークショーでスライド2枚のみうらじゅん氏のイラストを見せながらしつこいぐらいに文殊菩薩の素晴らしさを話していたのが印象的だった。私が2010年に奈良で拝観したのも彼らと同じで、獅子から降りた文殊だった。TV見仏記でもご住職の渡海文殊の説明を見たが、本の見仏記によると文殊菩薩は40年ごとに修理するが、ちょうどそれが遷都の記念と重なったそうだ。私はてっきり遷都の記念だと思っていた。維摩居士、須菩提、右に膝を曲げて両手を合わせて振り向く善財童子、胸を張った優填王たち眷属が同じ風を受けながら地上に現れた瞬間が表されている。TV見仏記でいとうせいこう氏が指摘していたが、風上の善財童子には風が激しくあたる様を衲衣で表し風下の優填王にあたる風は穏やかになっている快慶の素晴らしい表現で渡海文殊を形成している。東博の浅見課長も1089ブログの座談会で快慶作の立派なお像の出展を依頼したが断られたと言っていたが、国宝展に出展した善財童子でもあれば、渡海文殊の雰囲気を味わうことができたのに残念だ。いつか訪れる機会があれば安部文殊院を訪ねてみたいと思う。


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