2018年9月15日土曜日

平成30年新指定国宝・重文展④(薬師寺の増長天)

平成30年新指定国宝・重文展の隠れた目玉が薬師寺東院堂四天王の重文指
定だろう。鎌倉時代後期の仏像で京都五条坊門の隆賢・定秀作。当時は東大寺大仏殿に運慶・快慶が作った巨大な四天王像が存在しそれを手本として製作されたと考えられる。同じく大仏殿様四天王像として造られた海住山寺の四天王像と彩色・像様がそっくりで、東大寺大仏殿の四天王は最終的にこのようなかたちになったことがうかがえる。東博には平成15年に開催された「大和古寺のほとけたち」以来の出展だと思う。その際は当時東博の学芸員だった山本勉先生が図録解説を記載しており、「多種の顔料をもちいた極彩色をほどこし、盛上げ文様や繧繝彩色、さらに各種の切金文様も認められる。」と解説している。山本学芸員によると鎌倉時代初期の運慶作品より太づくりで軽快さにかけると言っているが、重厚で迫力がある仏像に感じた。いつか薬師寺を再訪しじっくりと味わいたいと思う。

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