2017年10月21日土曜日

運慶展③(六波羅蜜寺の地蔵菩薩)

最近放送されたNHKBS「仏像ミステリー 運慶とは何者だ」では私が
京都で見た六波羅蜜寺の地蔵菩薩のCT映像も放送で初めて発表された。それによると地蔵菩薩の像内納入品に五輪塔とともに大量の紙が収められていることが地蔵菩薩を上から輪切りにした映像が流されていた。この映像と私が以前購入した山本勉先生の著作「運慶に出会う」の解説をまとめるとこのようになる。この地蔵菩薩は八条高倉に運慶自ら建立した地蔵十輪院の本尊で、運慶作品にしては珍しく一木造りであるのは運慶一族に師や先祖を弔うために地蔵菩薩をつくる伝統があったとのこと。中に入っていた大量の紙は昭和初期に調査された際発見された「印仏」で地蔵菩薩を刷った343枚の一部であり得る。このことから山本先生が指摘した運慶の師であり父である康慶の菩提を弔うためにつくられたのであろう。現在のCTの技術から運慶の思いまで類推することができるのは素晴らしいことだ。ただ番組中に女優の壇れいさんが「触れてみたいようだが、触れてわいけないよう」と言っていたようにここは永遠のミステリーにしたいと感じた。

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