ほほえみの御仏ー二つの半跏思惟像ー
今週の日曜日梅雨の晴れ間の猛暑日の中、東博に特別展「ほほえみの御仏ー
二つの半跏思惟像ー」を見に行った。日韓国交樹立50周年記念の展覧会で5月に韓国ソウルの国立中央博物館で開催されたあと、6月から東博で開催されている展覧会だ。展覧会には日本からあの剛力彩芽が涙した中宮寺の菩薩半跏像が、韓国からは国宝78号半跏思惟像が出展された。韓国の仏像を見るのは初めてだったが、国宝78号半跏思惟像は頭に日月の宝冠をかぶった高さ83センチ余の金銅仏だがやわらかい腰つきをしており頬にそっと手をそえる姿勢がすばらしく美しい。この像は内部に土を込めた技法で出来ており胴の厚さは5ミリでしかないとのこと。この薄さが柔らかい木彫像のような金銅仏をつくりあげた秘密だろう。中宮寺の菩薩半跏像は目の輪郭を描かない特徴があるがこの国宝78号半跏思惟像も薄目をあけた表現になっており似ている。韓国には見仏記海外編に出てきた金銅三山冠半跏思惟像があるがこちらは京都広隆寺の弥勒菩薩に似ており、二組の仏像の共通性に韓国と日本のつながりが感じられる。残念ながらもうひとつの半跏思惟像は出展されなかったが、見仏記海外編をたよりに韓国仏像めぐりをしたいものだ。平常展示の11室の仏像を見てから東博をあとにした。
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