観音ミュージアムの如意輪観音
3月まで開催されていた観音ミュージアム「長谷寺仏教美術の至宝-彫刻編-」で
は見たことが無い仏像が展示されていたが、そこで気になったのがこの如意輪観音だ。鎌倉の如意輪観音といえば、来迎寺の観音が有名だがここ長谷寺にもあるとは知らなかった。観音は室町時代の寄木造で如意輪観音の特徴である如意宝珠や輪宝などの持物が失われているのが残念だ。伝快慶作だといわれるが、一面六臂の体躯、足裏を合わせて座る「輪王座」など通例の姿で表現されるとともに、卵型の面部、やや高めに結われた髻、抑え気味ではあるものの動きのある衣文の作りこみなどから宋風の作例を意識して製作された尊像といえるだろう。また目にする機会があればそこらへんを意識して鑑賞したいと思う。
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