2011年12月29日木曜日

もうひとつの定朝作阿弥陀如来

今年の秋訪れた平等院の阿弥陀如来は仏師「定朝」の代表作だが、京都伏見にももうひとつの定朝とその弟子たち製作の阿弥陀如来がある。それは泉涌寺塔頭の即成院に祀られている。平成21年の秋に法界寺の阿弥陀様に癒されたあと時間があったので、泉涌寺の楊貴妃観音でも見に行こうかと思い、六地蔵経由で東福寺の駅に降り立った。泉涌寺に向かう参道で何気なく立ち寄ったのが即成院というお寺だ。中には阿弥陀如来の観音・勢至菩薩を含む二十五菩薩が来迎の姿で3Dに表されていた。阿弥陀如来と二十五菩薩は平等院を創建した藤原頼通の子・橘俊綱が宇治川を挟んで平等院の対岸に安置したのが始まりと伝えられている。阿弥陀来迎の様子は絵などではよく見かけるが、実際の仏像で見るのは初めてだった。阿弥陀如来の周りの二十五菩薩はそれぞれ楽器を持って笑顔でお迎えに来てくださる様子が表されている。NHKEテレの「仏像拝観手引」でも薮内教授が言っていたが、形式化された定朝の寄木造りに二十五菩薩は仏師たちの遊びが見られる。そのためこのような楽しい二十五菩薩になったのだろう。塔頭でさえもこのような見所がある寺があるのだから、改めて京都の奥深さを感じながら次の塔頭に向かった。

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