2011年11月22日火曜日

修善寺の大日如来


今週の日曜日に再度鎌倉国宝館で開催されている特別展「鎌倉×密教」を見に出かけた。再度の訪問の理由は展覧会後期に「修善寺の大日如来」が展示されるからだ。通常修禅寺では年に10日しか拝めない貴重な仏像が間近に見ることができる絶好の機会だったからだ。会場を入ったすぐの大日如来のコーナーで拝観した。運慶の兄弟子仏師実慶の作品だ。仏像クラブで今年の5月に桑原薬師堂で見た阿弥陀三尊も実慶の作品だが、本作はそれよりやや大きい像高1メートルほどの仏像だ。この仏像は幕府二代将軍源頼家の側室辻殿にかかわる造像と想像され、その契機と造像時期との関係から実慶が東国にいた可能性が指摘されている。桑原薬師堂も北条時政の長男の戦死を弔うために彫られたことを思えば、うなずける。そう思ってみると厳しい顔立ちの大日如来もどこか優しげにみえたり、女性が好みそうな髻正面の花形の結び目など実慶の心憎い演出が随所にみられる味わい深い作品だ。

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