みかえり阿弥陀
平成21年の紅葉真っ盛りの秋に京都を訪れた。夕飯を丹波鳥料理の居酒屋で済ませ、紅葉ライトアップが行われている永観堂禅林寺に向かった。「秋は紅葉の永観堂」という言葉があるくらい紅葉の名所になっているところだ。すでに拝観時間が終わっている南禅寺など真っ暗な道を歩きながら、夜でも煌々とライトで明るい永観堂を目指した。ライトアップの明かりに照らされた紅葉を鑑賞しながら、本堂に向かう。永観堂の本堂には有名な「みかえり阿弥陀」が祀られていた。永観が修行をして歩いているとき、前に阿弥陀様が現れた。永観が立ちすくんでしまったとき、阿弥陀様が「永観遅し」といわれたとか。本堂にはその時の来迎印を結び、左斜め後ろを振り返る阿弥陀様が祀られている。阿弥陀様のお顔を拝めないかわりに、わきから拝することが出来る。小ぶりな阿弥陀様だが平安時代後期の浄土信仰を今に伝えるほとけだ。深々と冷える京都の夜なので立ち去りがたい思いを残し永観堂をあとにし宿に向かった。
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