東大寺ミュージアムの千手観音
大急ぎで興福寺を回り、奈良で最後に訪れたのが東大寺ミュージアムだ。
その中心に置かれているのが、かつて四月堂という御堂に安置されていた千手観音だ。改めてミュージアムで見ると像高2メートル以上ある平安時代の仏像に圧倒された。千手観音の通例は42臂だが様々な持物をもつ脇手が合掌する本手と同じ大きさというところが、迫力の原因だろう。見仏記によるとみうらじゅん氏・いとうせいこう氏はかつての四月堂を訪れており、みうらじゅん氏が「蛇だ、白蛇だよ、手がしなっている」とささやいたことも、うなづける。脇侍はかつてミュージアムに安置され法華堂の修復が終わり戻った不空羂索観音の日光・月光菩薩菩薩だ。今は千手観音の脇侍を務めている。脇手の上を向いた手にかつて何か持物を持っていたはずだったが、前の写真を見ると日月をささげ持っていた。今回のミュージアム移転に伴い外されしまったが、かつての姿に戻ることを祈りつつほかの展示に向かった。
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