2018年5月20日日曜日

特別展名作誕生②(成相寺の薬師如来)

今回の名作誕生展では展覧会に出たことがない仏像も多く展示されていた。
一番気に入ったのがこの成相寺の薬師如来だ。成相寺は淡路島にあるお寺で図録によると高野山の僧実弘により再建されたことが伝えられるがそれ以前から寺院の存在は確認されているとのこと。盛り上がった頭部や、やや険しい表情、脚部に現れる衣の襞をY字形に整える表現などはこの展覧会のテーマである「つながる日本美術」からみると唐招提寺薬師如来に端を発し、元興寺像など、各地に広まった薬師如来像にならう姿であるとのこと。衣の襞は彫りが浅く体躯の厚みも薄くなっている。平安時代中期から穏やかな表現の仏像が増えていくが既にその傾向がうかがえる。私も友人も今回の展覧会一番気に入った仏像の原因がその点にあるかもしれない。大倉集古館普賢菩薩の普賢菩薩も気になるので次の展示に向かった。

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