特別展高麗仏画
先月のことになるが、根津美術館で定慶の梵天・帝釈天を見たあと開催中
の特別展「高麗仏画」~香り立つ装飾美を鑑賞した。この展覧会は古美術書「目の眼」で紹介され掲載の写真の素晴らしさに眼を奪われたため、先月行くことに決めていた展覧会だ。仏像展と違い派手さはないが、静寂した館内でじっくり鑑賞することができた。高麗王朝は10世紀から14世紀までの朝鮮半島を治めた王朝であつく仏教をうやまい高い美意識のなか華麗で繊細な仏画が生み出された。13世紀の頃の仏画であるため会場では作品保護のため照明が落とされていたが、保存状態のよい根津美術館の阿弥陀三尊や泉屋博古館の水月観音など特筆すべき仏画もあり展示が楽しめた。表現で注目されるのが頭上から足元を覆う白く透明なヴェールである。極細の白線を格子状に表す事で、下に書いた絵の発色を損なうことなく、奥行感を感じさせる超絶技法だ。帰りに根津美術館の日本庭園を散策して都会の喧騒を離れ静かな時間を楽しみ帰路についた。
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