観音の里の祈りとくらし展⑤(菅山寺の十一面観音)
2年前、藝大で開催された「観音の里の祈りとくらし」展では狭い会場に所狭しと
18体の仏像が展示されていたが、この菅山寺の十一面観音はそのなかでも異彩を放っていた。それはこの像が他の仏像と違い木心乾漆づくりで、独特の雰囲気を醸し出している1メートル弱の仏像だからだ。漆により、より細かな表現が可能となり若干露歯(ろし)を思わせる開き気味の口元や深くあつい衣文線をあらわしている。近頃見た「新TV見仏記」でみうらじゅんは手前の手を大きくつくってあるという造形の特徴からはいるなどさすが美術のひとだと思った。私も不思議な魅力の観音の前にたたずみ、しばし時間を忘れた。今年の7月に同じ藝大で「観音の里の祈りとくらしⅡ」が開催される。「TV見仏記」で有名なあの千手千足観音や黒田観音堂の千手観音など40以上の仏像が展示される。今から期待している。
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