厨子入り木造弥勒菩薩半跏像
今回の仏頭展で第一会場の最初の展示がこの「厨子入り木造弥勒菩薩半跏像
」だ。会場ではスペースの関係か仏像が前、厨子が後ろに展示していた。髪を垂髪に結い、中央に宝珠形を透かし彫りにした銅性鍍金の宝冠を戴く。今年の五月に興福寺国宝館に行ったとき気がつかなかったが、すばらしい仏像だ。銅成鍍金で吹玉の垂飾をあしらった華麗な胸飾・瓔珞(ようらく)をつける。あとで図録を見て解ったが、多種多様な截金や彩色文が像全体を埋め尽くしていてみごとだ。慶派の多い興福寺だがこの美しさは院派だろうか。うしろの厨子には無著・世親をはじめとするインドの祖師から四天王・維摩・文殊から三蔵法師までが描かれており、すばらしかった。最初から圧倒されながら次の展示に移動した。
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