2013年7月14日日曜日

弥勒寺弥勒仏坐像

奈良国立博物館では、金剛寺の降三世明王以外にも特別公開された仏像
がある。それがこの弥勒寺(みろくじ)弥勒仏坐像だ。平成21年奈良教育委員会による調査で、見出された仏像だ。昨年一気に重要文化財までスピード出世し開催された新指定重要文化財展が上野の東博で開催されたおり展示されたようだが、見逃してしまった。やっとここ奈良博でのご対面となった。像高1メートル50センチの大きな仏像で、いわゆる半丈六(はんじょうろく)だ。羅髪が青紫色なのは後世の補色なのか。一木彫像で、太い造りであるが彫口は穏やかで、表情もやさしい。印相は施無畏・与願印(せむいよがんいん)で左手に宝塔を持つ。「なら仏像館」図録によると「重量感のある造形だが、ロープ上の衣紋(えもん)を整然と配する形式や、小さめな目鼻を顔の中央に寄せて表す点、足首を膝頭より奥にぐっと引くところなど、平安時代中期の作風が顕著である。」とのこと。私の好きな新薬師寺の薬師如来に続く秀作だ。大きな仏像に圧倒されいつまでも見入っていた。

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