2013年1月19日土曜日

法隆寺宝物館(渡来系の仏N143号)

昨年末に購入した日本美術全集:法隆寺と奈良の寺院(小学館)に載っていた仏像で気になっていたのがこの如来及び両脇侍像:N143号だ。日本の仏像にない大陸の風を感じる仏像だ。法隆寺に伝わる小金銅仏は阿弥陀如来の四十八願にもとづいて、江戸出開帳の時に選ばれたもので、その中には渡来系の仏像・止利派の仏像・童子形像・インド風な仏像・半跏思惟像などに大きく分けられる。その内渡来系の仏像は3体が確認されており朝鮮三国時代の貴重な仏像だ。この如来及び両脇侍立像はその代表的なもので典型的な一光三尊像(いっこうさんぞんぞう)である。右手を広げてあげ、左手は人差し指と中指を伸ばす、法隆寺金銅釈迦三尊と同じポーズだ。光背もみごとで唐草の蓮華に化仏を配し、釈迦三尊と同じく火焔が描かれている。両脇侍も両手を胸の前で合わせ衣の下に隠す、日本の仏像にない特色がある。ここまで本尊釈迦三尊と似ていると法隆寺に早い段階で安置されており止利仏師が製作の過程で参考にしたのではないか想像してしまう。閉館の時間も迫っていたので次の仏像を見に移動した。

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