檪野寺の十一面観音
今度の京都・近江旅行の目的のひとつが檪野寺の十一面観音の御開帳に合わせて拝観することだった。あらかじめ予約していたタクシーに金勝寺近くの道の駅にきてもらい一路檪野寺を目指した。参道の左にはびっしりと十一面坐像の小型版の石仏が並び、門には二体の仁王があった。珍しくガラス張りの中に鎮座している。白目の部分が赤いのも珍しく迫力がある。案内の方から本堂に入るよう即され、入ってみると御開帳の日らしく大勢の人が中で待機していた。みうらじゅんも見れなかった、十一面観音に出会った。像高3メートル以上十一面観音が厨子に少し窮屈そうにどっしりと鎮座している。如来のような落ち着きと重量感を漂わせて、まさにこの地域の天台文化の繁栄を物語る優品だ。檪野寺には他にも優れた仏像が残されており興味が尽きない。像高170センチの聖観音は桧の一木造りで立ち姿が美しい。薬師如来の像高222センチの大型で藤原期の丈六の如来像だ。白洲正子展に出品された田村毘沙門天や平安期末の味のある地蔵菩薩など見所が多い。名残惜しいが、次の寺に移動するため、檪野寺を後にした。
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