東博の菩薩坐像
特別展示「運慶周辺と康円の仏像」を見た後、東博で必ず訪れる第11室の彫刻のコーナーに向かう。ここは東博の所蔵している仏像や、預託されている仏像、奈良や京都の寺から出展した仏像が季節ごとに展示替えする仏像ファンにはたまらないコーナーだ。今回も秋篠寺の十一面観音や浄瑠璃時の四天王が所狭しと並んでいた。私は携帯のカメラや一眼レフで撮影可能な仏像を撮るのに大忙しだった。東博の展示品の説明の横には「カメラ」のマークがあり、撮影禁止の仏像には「カメラ」に×が表示されているが、何もない展示品は撮影可能だ。このなかで私が一番気になったのは、彫刻のコーナーの入り口に展示されている菩薩坐像だ。上瞼(うわまぶた)がふくらみ、やや沈んだ表情、厚い胸、ところどころしのぎ立つ衣の襞など平安時代前期の特色を示す仏像だ。私にはなんだかはれぼったい目つきの仏がなんともいい表情だ。日本画家下村観山の旧蔵の仏像だ。朝な夕なにこの仏像を眺めていたい衝動にかられた。
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