遷都1300年奈良現地レポート(ハリウッドテンプル)
奈良旅行最終日の最後のお寺はハリウッド(聖林)寺だ。寺は狭い坂の途中にあり、しばらくすると小さな門があった。本堂には大きな地蔵があり脇のガラスケースにも、南北朝時代の味のある毘沙門天や阿弥陀三尊があり見逃せない。左手の廊下を上がると目的の十一面がある。収蔵庫の入り口からあの憧れの十一面観音が見えた。遠目からでも美しいそのお姿はガラスケースごしだが素晴らしかった。普通のお寺より照明が明るいため,お姿がはっきり見えるのがまたよかった。肉厚な胸の下が突然細くなり全体的にはスレンダーな仏だ。金箔が細かくひび割れた顔を仰ぐ。威厳に満ちた男性的な面差しの頭上に十の仏面をいただく。私はその場に座り込み飽きることなく観音像を眺めていた。
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