伽楼羅(カルラ)様
平成20年U案内人と京都を旅行した。京都に来て二日目の朝、まず三十三間堂へ向かう。有名な千体千手観音立像や二十八部衆は修学旅行で何度も見ているが、改めて仏像に興味を持ってから見るのとは大違いだ。見るすべてが国宝なのにもうなずける秀作像がそろっている。我々は言葉を失った。千手観音たちの前に、二十八部衆が立っていた。「見仏記」によると以前は四天王と風神、雷神を残して、すべて裏側の外陣に置かれていたが、数年前から創建当時の配置に戻されたとのこと。多くの美仏がありすぎて、ひとつと限定できないがあえて言うならば、「伽楼羅王像」か。後で知ることになるのだが、小生が子供のころ愛読したマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」にこの、「伽楼羅王像」そっくりの神様が牛鬼になった鬼太郎を笛の音で元に戻すシーンが描かれている。運慶・快慶の弟子たちの作と思われるが、右足を上げて拍子をとるさまから笛の音まで感じさせる秀作だ。二人は感動の余韻に浸りながら次の目的地東寺へと向かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿