2025年7月18日金曜日

令和7年新指定国宝・重文展(法隆寺献納伎楽面)


 令和7年新指定国宝の法隆寺献納伎楽面を改めてU案内人達と国宝指定全件を東博法隆寺宝物館に見にいった。残念ながら酔胡従など一部は修復中で見られなかったが、京都の新指定国宝・重文展に出展された力士を始めとした国宝に指定された31面の多くの国宝が鑑賞できてよかった。全体に大づかみな造形で師子児は法隆寺金堂四天王の面貌に通じるが、抑揚のある肉取りには天智朝以降の新しい風を認めることができ、七世紀後半の法隆寺再建期の制作であると考えられるべきであろう。その他の面は筋肉の肉付けが控えめであることから、それより遡る八世紀前半の制作とみられる。伝世品としては最古の伎楽面の一群であり、仮面文化史上においてきわめて重要である。そんな国宝が東博の入場料で見られる法隆寺宝物館はなんて贅沢な空間だと思った。

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