2015年10月17日土曜日

蔵王権現と修験の秘宝展④櫻本坊の釈迦如来

蔵王権現と修験の秘宝展では大小さまざまな秘宝が公開されており、150セン
チ以上ある聖徳太子像からわずか20センチ足らずの釈迦如来像など70点が展示されている。ここで紹介する櫻本坊の釈迦如来は像高17.3センチで、銅造鍍金の白鳳時代の製作だといわれている。いわれてみれば、東博の法隆寺宝物館の48体仏に似ている。頬が張った丸顔で独特な緊張感を持つ表情、左右非対称な衣文表現などが白鳳仏らしい。納衣は胸前を大きく開いて、納衣と裳の裾を前面に垂らす、いわゆる裳懸座(もかけざ)を表す。幅が広く大ぶりの肉髻には螺髪を表さず、顔の造作を大きく表し、耳朶が外側に強く張り出す特徴的な面持ちだ。如何せん展示品が小さいので双眼鏡もってこれなかったのが悔やまれる。お寺では多分一般公開していないであろう秘宝に出会えてよかった。

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