雲崗石窟のシヴァ神
私が若いころ訪れた雲崗石窟は大小あまたの仏像が岩に穿たれていたが、仏
像以外にもインドの神であるシヴァ神やヴィシヌ神もあわされている。一通りのガイドが終わり自由行動となったとき、私はガイドブックに書いていた、シヴァ神の像はどこにあるか中国人ガイドに聞いてみた。中国人ガイドはわれわれツアー一行を、第8屈に案内してくれた。8屈の入口東側に、三面八臂で牛に乗っている異国風の神像があった。顔は三面とも引き締まった童顔で、中央の顔には宝冠をかぶっている。両側の顔はとがった三角帽をかぶっており、第一手には日輪、第二手に弓、第三手に輪を、第四手は肘を曲げて胸にあて、手首を上にして葡萄の一房を持っていることは甚だ興味深いと、最近購入した「小川晴暘の仏像」の解説に記載してあった。「小川晴暘の仏像」には戦前に大同の雲崗石窟を訪れた、小川晴暘の珠玉の仏像写真が掲載されており、若かりしころにタイムスリップした気分になれた。悔やみきれないのは8屈の入口西側にはヴィシヌ神の像があり、見逃してしまった。いつか再度中国の石窟めぐりがしたいものだ。
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