佐渡・新潟仏像探訪記②(明静院の大日如来)

9月19日は佐渡を後にしてフェリーで直江津港に向かった。直江津港からタクシーで一路、岩殿山明静院へ。岩殿山は大国主命伝説が残る古くからのお寺で岩殿山の一本道をタクシーで登り、苔むした階段を上ると明静院の大日堂に出た。中にご住職の奥様らしき人が現れ大日堂の中に入れてくれた。拝観料を払い大日如来がおられる収蔵庫の扉を開け拝観した。みうらじゅん氏がへばりついた網戸はなく、奥様によると先代の住職は虫を嫌って網戸を開けなかったが、今は大日堂の入口に網戸をしたため開けて拝観できるようになったとのこと。一安心してて大日如来をみると平安時代後期の寄木造りで宝冠・瓔珞・臂釧・腕釧は江戸時代の後補。大きめな宝冠から垂れる瓔珞は蛇を思わせるように長く膝の上まで達していた。ここに大国主が入ったと感じた。顔は確かに童顔だがいとうせいこう氏が言う眠たげではなく凛として前を向く若々しい青年に見えた。新潟県で初の旧国宝に指定されその後重文となったほど出来映えがよく破綻ない仕上がりは都の仏師の作だろう。見仏記でみうらじゅん氏が「織田無動」言っていた水晶も奉納してあったが、ここから近い糸魚川は昔『越しの国』と言われたことからうなずける。左右の増長・多聞は大日如来の引き立て役に過ぎず明らかに地方仏師の作。御開帳記念に作ったクリアファイルと大日如来の写真を購入してお寺をあとにタクシーに戻った。タクシーの車窓からキバナコスモスを眺めながら秋を感じつつ宿に向かった。
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