2012年秋に京都非公開文化財特別公開で知恩院三門を訪れてから12年ぶりにまた知恩院を訪問した。京都は土砂降りの天気で大勢いた観光客が観光を中断するなか知恩院三門に向かうと国内最大級の木造の門が現れた。高さ24メートル幅50メートル国宝の「三門」だ。三門から見る景色は絶景でかの石川五右衛門が「絶景かな」と叫んだいつわも残っている。ビルがなかったら都全体を見ることができただろう。山門の受付で拝観料を払い長い木の階段にとりついた。ロープなどに助けられ三問にあがると観光客がまばらで学生の協会案内人の女性に声をかけ説明してもらった。中は十六羅漢像などが並び、中央に宝冠釈迦如来が座る。室町時代のもので絵は江戸時代狩野派の絵師によるものとのこと。400年前の色彩がしっかり残っておりまさに極楽浄土だ。以前拝観したときは大勢の観光客がいてかなわなかったが、雨のおかげで天井画をガイドつきで歩いて見て回る幸運に恵まれた。天井の竜が何匹いるとか、上半身が人で下半身が鳥の想像上の生き物「迦陵頻伽」についても歩いて見てまわれた。以前来たときよりよく拝観できてよかった。まだ大雨がやみそうもないので、コースを変更し「眷属展」開催中の龍谷ミュージアムに向かった。京都駅につくと雨はやんでおり予定通り阿弥陀寺にいけばよかったと思ったが、残念だった。眷属展を見に「龍谷ミュージアム」に向かった。
先週の土曜日、鎌倉国宝館開催の特集展示「鎌倉の伝運慶仏・鎌倉旧国宝」に出かけた。会場に入るといつもの通り「鎌倉の仏像」の展示だと思ったが説明板によると「鎌倉の仏像」「鎌倉の伝運慶仏」「鎌倉旧国宝」の展示が入り乱れて展示されていた。教恩寺阿弥陀三尊の近くにいつもの辻薬師堂の薬師如来と十二神将で今日は鎌倉の仏像の展示品でもあり鎌倉の伝運慶仏の展示品。十二神将の間に伝運慶仏の地蔵菩薩が展示され、いつもの鎌倉の仏像の間に山本先生が審議委員会長の令和6年度横浜市指定文化財の東漸寺迦葉像。鎌倉旧国宝展はいつものガラスケースに円覚寺塔頭伝送庵から地蔵菩薩という展示だ。最初戸惑っていたU案内人出品リストと掲示を見て理解したらしく、伝送庵地蔵菩薩をさかんに絶賛していた。私はやはり修理完成した教恩寺阿弥陀三尊がよかった。それぞれの仏像の解説はあとにするが、限られた空間で効率的に展示した鎌倉国宝館の学芸員は優秀だと感じた。一通り見て鶴岡八幡の御朱印帳を購入して鎌倉を後にした。
2日目(11月3日)京都を早く出て奈良に向かい近鉄奈良で奈良交通主催の木津川古寺巡礼バスにて9時過ぎに浄瑠璃寺についた。本堂に入ると中は少し薄暗く左手で目を光らせているのが四天王の持国天・増長天だ。その横から平成30年度より五カ年の計画で実施された保存修理で新たになった九体阿弥陀が並ぶ。明治の修復から110年ぶりの大事業で、昨年3月に完成した。綺麗に修復された光背の頭光と光脚に当初の部材を残すほか、九重蓮華座も蓮弁の一部をのぞいて造立当初の姿を伝えている。ヒノキ材とみられる針葉樹林製で奈良博山口学芸員によると充実した作風の中尊は11世紀で、左右に並んで安置される定印造八体については12世紀当初に追加されたという説を紹介している。有名な浄瑠璃寺吉祥天や地蔵菩薩、鎌倉時代の個性的な不動明王・矜羯羅童子・勢多迦童子と拝観する人を飽きさせない仏像の配置が並ぶ。大判の写真を購入し本堂を出てご開帳の三重塔へ向かった。いつ来ても充実した仏像群が並ぶ浄瑠璃寺であった。
昨日から京都仏像巡りをしている。まず最初に行ったのは、最近、六観音地蔵菩薩が国宝になった。大報恩寺だ。ここ大報恩寺は令和6年度第60回京都非公開文化財特別公開開催寺院となっておりポスターも千手観音になっている。残念ながら本堂の釈迦如来は拝観できなかったが、本堂にも女性の協会関係者が待期して本堂が洛中で現在最古の建造物だとか、おかめさんの悲しい物語を教えてくれた。宝物殿では六観音が素晴らしかった。国宝になり照明が見直され人感センサーで照明の強弱がはかられる作りがとても見やすかった。またこちらの六観音は廃寺となった北野経王堂より移されたもので、展覧会では展示がなかった竜と鳳凰の彫刻がついた大太鼓は三代将軍足利義満からの寄進という説明をしてくれた。やはり文化財特別公開はより深く公開寺院のことがわかってよかった.その後大将軍八神社、知恩院三門と巡り龍谷ミュージアムで眷属展をみた。詳しい報告はまたのブログで。