つながる美・引き継ぐ心展③(東南寺の地蔵菩薩)
昨年行った滋賀県立近代美術館開催の「つながる美・引き継ぐ心」展で東南
寺の地蔵菩薩に再会した。4年前日本橋の三井記念美術館で開催された「近江路の神と仏名宝展」展示されており印象が残った地蔵菩薩だった。本像は目尻を吊り上げ、口を強く結んだ表情には威厳があり、腹部やももを強調した表現には60センチ余の小像と思えない迫力に満ちている。造像は平安時代中期と考えられるが、平安時代前期の雰囲気もある滋賀県最古の地蔵菩薩だ。僧形神像として造像された可能性もあり吊り上った目や口角をあげた口元は神像としての霊威を十分に感じられる。近江で多くの神像の雰囲気をもった仏像を見てきたがこの地蔵菩薩もその雰囲気を持っている。博物館に寄託されているのが残念だが、お寺にあればより神像的雰囲気をかんじることができたであろう。
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