2017年2月4日土曜日

国宝阿修羅展の思い出①

平成21年春に開催された「国宝阿修羅展」で興福寺仮金堂に安置されている薬
王・薬上菩薩が出展された。鎌倉時代の製作で像高が3メートル半に及ぶ巨像で展覧会場で見上げるように見たのを覚えている。胎内納入品の木札より旧西金堂設置ということがわかっている。図録によると頭部が大きく、腹より上が短い寸の詰まったプロポーションで、腰を一方に捻るものの動きの少ない姿である。奈良時代の復古的な像が求められたという制約があったとしても、運慶の作風とは隔たりがある。運慶と近い奈良仏師の制作とのこと。興福寺国宝館が耐震工事のため丸一年休館となっているため、普段閉まっている仮金堂にて春と秋に「天平乾漆仏像郡展」が開催され江戸時代の釈迦如来・四天王とともにお馴染みの阿修羅や十大弟子や定慶作金剛力士など西金堂オールスターズが拝観できるとのこと。興福寺の仏頭の東金堂帰還とともに注目される。奈良博の「快慶展」を訪れた際、拝観したいと思う。

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