特別展「文明の十字路バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」①
本日(9月21日)に東京日本橋にある三井記念美術館「特別展文明の十字路バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」にU案内人にと出かけた。この展覧会は2021年にイスラム原理組織タリバンによって破壊されたバーミヤン遺跡の高さ38mの「東大仏」と高さ55mの「西大仏」の爆破前に模写した貴重な壁画の画き起こし図を東京で初公開するにあたり周辺のガンダーラ遺跡出土の文物と日本に伝来した弥勒信仰によって作られた仏像を展示する展覧会だ。渓谷の崖面には多くの石窟と東西二体の大仏が掘られ、東大仏の壁画にはイランの太陽神「ミスラ」が、西大仏は弥勒大仏で仏龕天井には弥勒菩薩を主導とした兜率天世界が描かれた。画き起こし図によるミスラの姿は四頭立ての馬車に乗りマントを翻し、盾と弓を持つ二女神を従える姿だが、第一室では周辺のガンダーラやマトゥーラ遺跡出土の文物からミスラと思われる姿を追ったコインやスーリヤ象が並ぶ。第二室では西大仏弥勒の日本の姿の代表として野中寺弥勒菩薩像。展示3・4室は名古屋大学名誉教授宮治氏のバーミヤン大仏壁画の研究ノートと画き起こし図。古代のバーミヤンで学んだ三蔵法師の関連する薬師寺玄奘三蔵像と重文の玄奘三蔵像などが並ぶ。また西大仏のインドでの弥勒の表現としてガンダーラの弥勒菩薩交脚像や中国や朝鮮での姿として、菩薩半跏思惟像や京都妙傳寺(みょうでんじ)の菩薩半跏像が並び最後に日本の弥勒菩薩が三井記念美術館お得意の個人蔵の弥勒菩薩像が並ぶ。三井記念美術館がすべて国内の美術館や寺院から集めてこのテーマで展覧会が開催できたことはすばらしい。清水館長をはじめとした美術館関係者の努力に感謝したい。
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