2024年7月27日土曜日

創建1200年記念 特別展神護寺①


 本日(27日)仏像クラブで東博で開催されている「創建1200年 特別展 神護寺」に行った。神護寺は和気清麻呂創建の寺で、中国・唐から帰国した空海が活動の拠点とした寺院。第1章では空海ゆかりの出品が多く展示され、展覧会冒頭には鎌倉時代に制作された板彫りの弘法大師像が展示されていたり、空海直筆の多くの書が展示されていた。第2章では教科書にものっている源頼朝像をはじめとした神護寺三尊像といわれる肖像画と空海が唐から請来した高雄曼荼羅など貴重な宝物が展示されていた。第3章・第4章は鎌倉時代以降の貴重な絵画や書が並び、いよいよ第5章は「神護寺の彫刻」としていままでそろってみたことがない五大虚空蔵菩薩が曼荼羅風に円形にならびひとつひとつをじっくり拝観できるのが仏像ファンにはうれしい展示だ。TV見仏記でみうらじゆん氏が言っていたレッドマンやブルーマンなど平安時代の秘仏だがよく彩色がのこっているのに感動した。続いて空海もみた薬師如来と対面。脇侍の日光・月光の三尊で拝観でき、やはりすばらしい仏だ。本堂の薄暗がりにまとまって拝観していた十二神将もひとつひとつスポットライトがあたりよかった。鑑賞も終えた仏像クラブの面々もいたく感動したらしくそれぞれよかった仏像を語っていた。御徒町のおいしいてんぷらを食し大いに語っていた仏像クラブの面々だった。

2024年7月17日水曜日

館仏三昧ミュージアム巡り④(静嘉堂@丸の内)

 

本日(7月17日)館佛三昧ミュージアム巡りの第三弾として世田谷から2年前に丸の内に移転してきた静嘉堂文庫美術館に慶派の十二神将を見に行った。展覧会は「超・日本刀入門REVIVE」という展覧会で昨今の日本刀ブームにのって静嘉堂文庫美術館が所蔵する鎌倉時代から江戸時代までの名刀の展覧会となっていて、いつもの仏教・仏像の展覧会より女性客が多くみられた。国宝「曜変天目」以外は写真撮影OKとのことで運慶作かと騒がれた慶派の十二神将7体を撮影した。パンフレット掲載の午神の表情をアップでとらえたり、静嘉堂文庫美術館中央ホールを背景に安貞2年の墨書がある、亥神を撮影したりと十分に楽しめた。交通の便がよくなったのでまた静嘉堂文庫美術館に行きたいと思った。静嘉堂@丸の内を後に、梅雨明け真近の東京駅に向かった。



2024年7月7日日曜日

館佛三昧ミュージアム巡り③(旧足利樺崎寺下御堂大日如来)

 

半蔵門ミュージアムの展示の目玉はニューヨークのオークションにも掛かったこの大日如来だが、この仏像を初めて世間に知らしめたのは現在館長の山本勉氏だ。彼が初めてこの仏像を見た驚き喜びは東博研究誌「MUSEUM」589号を読むとよくわかる。「昨年(2003年)にご所蔵の仏像の像内納入品があるかもしれないのでX線写真を撮れないかという趣旨の書状をいただいた。二葉の写真が同封されていた。(中略)かんたんなスナップ写真だから細部までを確認できたわけではないが、それでもそこに写った像の姿に衝撃をおぼえたのである。(中略)所蔵者のお宅に伺って、大日如来像を調査することができたは想像をはるかに超えた優作であった。」その後東博での出品のおりX線撮影を行い内部の仏像の魂としてあらわされる心月輪が判明したことで運慶工房での作という考えにいたったとのこと。2008年のオークション騒ぎを経て2009年に重文に指定するための文化庁奥建夫しのボアスコープ(棒状の内視鏡)を耳孔より挿入した画像により像内は金箔が押され五輪塔の空輪には薄青、風輪には青、火輪には赤、水輪には白、地輪には黄、それらの各面に四方五大種子、その下には陀羅尼が記載されていることが判明した。運慶の製作当初の仏像の色彩が像内納入品に残っていたのは驚きだ。その辺をコンパクトにまとめた動画が半蔵門ミュージアムで無料で見れるので、ぜひおすすめしたい。