特別展「中尊寺金色堂」③(観音菩薩・勢至菩薩)
阿弥陀如来が強烈な印象だったため現地で左右の観音菩薩・勢至菩薩を見ても何の印象もなっかた。U案内人も「ご本尊ばかり見てました。」とのこと。しかし図録で観音・勢至菩薩をみるとグッときた。特に観音様がいい。皆金色(かいこんじき)の定朝以降の仏像で「仏像のみかた」のミズノ先生によるとこの時代の仏像は「頬の張った丸顔で、まぶたやあごのふくらみにほのかな抑揚をもちながら顔全体はゆったりとした曲線で構成されています。そして、目・鼻・唇はみごとな均衡をたもって、やさしさにあふれた表情をあらわしています。」とのこと。まさに今東博に展示されている観音様がよく定朝様式・藤原風をあらわした仏像だ。勢至菩薩はクールな印象だが図録では「当代の一流仏師、とりわけ円勢周辺の仏師の手によるものと思われる」とのこと。平泉に奥州藤原氏の財力で花開いた仏教文化の重要な遺産だと思った。
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