出雲仏像の旅④(千手院の不動明王)
出雲2日目出雲市駅より松江に向かった。松江市の観光協会で教えてもらった、うなぎ屋で腹ごしらえをして、喫茶店から次の千手院に電話するとご住職が出かけれ用事があるので早く来てほしいとのこと。急遽タクシーを呼んでもらいお寺に向かった。ご住職の話では、ここ千手院は松江城の鬼門にあたり鬼門封じの寺として建立されたとのこと。不動明王は行基作との伝承があるが平安時代の作。「祈りの仏像」図録によるとおよそ半丈六の巨体の頭体幹部を一木割矧造りとする古様な構造を採用する。かたや十九観相による醜悪な表情ながらも和様化の進んだ典雅な美作で、たくましい太造りの肉体にまとう着衣には鋭くも整然とした衣文が流れている。仏師定朝が大成した和様彫刻の影響下にありながら、前代的なボリューム感の木彫様式を受け継ぐ過渡的な造形性が看過され、十一世紀半ばの製作と考えられるとのこと。御朱印をいただきお寺をあとに玉造温泉に向かった。
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