2023年7月2日日曜日

特別展「東福寺」⑤(三聖寺釈迦如来)


 会期終了した特別展「東福寺」には出展されなかったが、東福寺の明治14年の火災で焼けた7.5メートルの釈迦如来像の代わりに法堂本尊となったのが三聖寺釈迦如来だ。展示写真や東福寺法堂の壇上では分かりにくいが、像高は260センチ余りの半丈六の仏像だ。写真の通り白毫相を表し、眉は曲線を描き切れ長の目、鼻は太く、顎の盛り上がりを明確にし、口ひげを表す。天衣は通肩に着け、僧祇支・衲衣・裙をつける。僧祇支はミズノ先生の仏像のみかたによるともともとは尼が胸を隠すためにきたものとのこと。印相は右腕で施無畏印を結び、左腕を下げて与願印を結ぶ。東福寺の記録によると明治の火災の翌日選仏場に万寿寺から運ばれたとあるが、万寿寺の本尊ではなく、明治に合併した三聖寺本尊にあたるとのこと。製作年代だが東福寺近くの泉涌寺塔頭戒光寺の釈迦如来に類似しているとのことから戒光寺と三聖寺が交流があった鎌倉時代後期の宗風盛んなときに生れたとのこと。またの機会の東福寺法堂公開時に釈迦如来を拝観したいと思った。

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