特集「浅草寺のみほとけ」③伝法院の不動明王
特集「浅草寺のみほとけ」で一番古い仏像が伝法院の不動明王だ。平安時代の作で巻き髪で、左目をすがめで睨み、牙を互い違いに生やすといった特徴は平安時代前期以降に不動明王図像の典型となる「不動十九観」にのっとたものと思われる。丸みのある穏やかな肉取り、浅く整えられた衣の襞などから平安時代後期に制作されたとみられる。いままで京都・小浜・大分など各地で不動明王の名仏を見てきたため物足りなさを感じたが、東京大空襲にあった浅草寺で災禍を免れた数少ない建築のひとつである伝法院の護摩堂に前回紹介した大威徳明王とともに祀られていた。近頃浅草寺のHPで小堀遠州の回遊式庭園に囲まれた伝法院の瀟洒な建築がただずむ写真を見たが、普段は非公開だという。仲見世の喧騒をよそに桜が咲きみだれる庭園は不定期に公開されるとのこといつかはいってみたいと思った。
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