清凉寺帝釈天
弘源寺の毘沙門天を見てからコロナ禍で16:00閉門の清凉寺にあと30分しかなかったためタクシーを利用して向かった。宝物館が開いていたで訪問し源融の釈迦三尊や毘沙門天展で出会った清凉寺の毘沙門天などを急いで見てまわった。日本美術全集の写真で注目したのがこの帝釈天だ。東博の皿井学芸員の解説によると宝物館の前は清凉寺の三国伝来の釈迦如来の脇侍として文殊菩薩とともに釈迦三尊として本堂に安置されていたとのこと。衲衣の上に鰭袖(ひれそで)を持つ衣をつけ左手は掌を下にして拳をつくり、右手は右わきに構えて持物(亡失)を執り、象の上で左足を踏み下げ半跏趺座する典型的な帝釈天のポーズだという。また東寺の帝釈天が密教像のなかで一番古く造られたものだが、それに匹敵する平安前期にさかのぼる古い作例であるという。運慶の修復した東寺帝釈天に比べると見劣りがするがなかなかの優品だ。通常より1時間早い閉門のため本堂に行くと釈迦如来に焼香できるとのことで三国伝来の釈迦如来を近くで拝観して大門が閉まった清凉寺の勝手口から外へ出た。
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