2020年3月21日土曜日

10年ぶりに再会した元興寺如意輪観音

十輪院拝観後向かったのが南都七大寺の元興寺。元興寺は日本初の本格的
寺院法興寺が起源で平城京に移された寺院だ。曼荼羅が本尊の本堂の拝観をサッと済ませて宝物館に向かった。平安時代の阿弥陀如来を拝観してお目当ての如意輪観音に向かった。実は10年前の三井記念美術館で開催された「奈良の古寺と仏像展」で初めてこの如意輪観音に出会い魅力に引き込まれた。その後数々の如意輪観音と出会うため鎌倉来迎寺・飛鳥橘寺・室生寺と巡ってきた。このブログにもいつか元興寺を訪ねて再会したいと書いていた。如意輪観音は鎌倉時代の作で質の良いヒノキ材を用いた寄木造で玉眼を嵌入(かんにゅう)頭髪や唇に彩色をするほかは素地仕上げの壇像風の仏像だ。髻には丁寧に髪筋を刻み、俯きかげんに少し下を向けた顔には、切れ長の目やくっきりと引き締まった鼻や口元が気品漂う表情を醸し出している。如意宝珠や輪法などのそれぞれ持物をもった複雑な腕の動きと体のバランスも良く、鎌倉仏らしい端正さと調和美をもった秀作だ。10年ぶりの思いとげて満足して奈良をあとにした。

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