快慶展⑩「青蓮院の兜跋毘沙門天」
兜跋毘沙門天と言えば現在東博で開催中の特別展「東寺」に出展されている
平安時代の仏像を思い起こさせるが、鎌倉時代に何と快慶の手でつくられたのがこの青蓮院の兜跋毘沙門天だ。宝冠をかぶり、外套状の金鎖甲を着け、二鬼を従えた地天女が両足を捧げ持つお馴染みのポーズで表されている。東寺像と違い瓔珞に銅製鍍金であらわされているのもこの像の特徴だ。図録で奈良博の山口氏によると細部まで神経のゆきとどいたまとまりのよい作風に快慶の特色がはっきりとあらわれているとのこと。昨年東博で開催された「大報恩寺展」で快慶と弟子行快の耳の形の違いについて学んだが、この青蓮院像でも毘沙門天と地天女に行快の彫り癖が表れているとのこと。このことからも快慶の一番弟子は行快ということに気づかされる作品だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿