運慶展⑨光得寺の大日如来
昨年の運慶展には毎年夏に東博で見られた光得寺の大日如来も出展されて
いた。他の出展作品に比べて小ぶりで会場では目立たなかったが、山本勉先生や仏の瀬谷さんの文章を熟読すると運慶にとって大きな意味を持つ作品とのこと。運慶は初作の円成寺大日如来を製作したころから空海作東寺大日如来に強いあこがれをもっていた。しかしその当時から東寺の大日如来は秘仏で講堂内には入れてもらえなかった。しかし東寺の仏像修理を運慶一門が担うことになり、あこがれの大日如来に対面したのちにこの光得寺像は製作されたという。足利義兼追善のために製作されたが、そこで運慶は思う存分東寺講堂の大日如来の再現を行ったことが伺える。仏の瀬谷さんも「小像ながらも強度に満ちた豊満なたたずまいは、東寺のオリジナルに接し得たがゆえの運慶の感動と確信に由来するのではないか、などど想像を誘われてしまいます。」と言っている。今月から始まった金沢文庫「運慶展」にも出展されているので運慶の熱い思いを感じつつ拝観したいと思う。
WEB小説「北円堂の秘密」を知ってますか。
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北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。
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