観音ミュージアムの福を呼ぶ大黒天
先日行った「観音ミュージアム」では、リニューアルオープン展「長谷寺仏教美術
の至宝-彫刻編」の期間中、神奈川最古の大黒天が展示されていた。大黒天は七福神のひとつでインド由来の武装神で三面六臂(さんめんろっぴ)の姿で中国の絵図などにあらわされてきたが、日本に伝来したとき神話の大国主命との習合を遂げて、今の形となったとのこと。初期の大黒天像としては大宰府観世音寺で見た大黒天が有名だが、そちらは厳しい顔つきのに対し、この大黒天は見慣れた穏やかな顔つきでいつもの俵に乗っている。このように穏やかな表情になったのは中世になってからとのこと。中世製作のごく初期の作例として注目されている。ありきたりの大黒天にもこのように深い歴史があるのだと感心し次の展示に向かった。
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