蔵王権現と修験の秘宝展②源慶の蔵王権現
三井記念美術館で開催されている「蔵王権現と修験の秘宝展」の目玉は如意輪
寺にある源慶の蔵王権現だ。山本勉先生によると、運慶に仕えた大番頭のような役割の仏師だったとのこと。蔵王権現は像高わずか87センチながら、均整のとれたプロポーション自然な姿態や着衣表現など破綻なくまとめられた造形感覚はみごとだ。右手を振り上げ五鈷杵を持ち、左手は剣印とし、右足を蹴り上げて立つ蔵王権現独自のポーズだ。像表面には当時のものと思われる彩色が残り、肉身色はは群青とし、着衣に截金文様が確認できる。さすが運慶の大番頭の技が冴える一品となっている。蔵王権現は役行者が金峰山で守護仏の出現を祈ったとき、釈迦如来・千手観音・弥勒如来が出現し最後に出現した仏として伝えられている。子ぶりながら迫力が感じられる仏像だった。いつまでも見ていたい気持ちを抑えて、次の作品へと向った。
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