みちのくの仏像展②(天台寺の聖観音)
今回の「みちのくの仏像展」でお会いしたかったのが、岩手にある天台寺の聖
観音だ。「鉈彫り(なたぼり)」の名品として有名な仏像だ。天台寺は岩手県二戸市にある古刹で僧籍にあり作家の今東光氏や瀬戸内寂聴氏が住職を勤めた古寺。有名作家が住職をつとめたほど、ここにある7体の仏像が多くの人をひきつけるほど魅力的だということか。今回の展覧会では聖観音のほか如来立像も出展されている。会場に入ってまず最初にガラスケースにある聖観音に釘付けになった。荒々しい横目の鑿後(のみあと)が残る技法は昨年春拝観した弘明寺の十一面観音にも用いられており、美術史家の井上正氏によれば聖観音が変化する際おこすさざ波を表現したものだという。変化した後の天台寺所蔵の十一面観音と一緒に見たかったが、残念であった。天台寺の聖観音はあとでゆっくりもう一度見るとして、次の展示に向った。
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