當麻寺西南院の三観音
昨年のことになるが、秋に當麻寺(たいまでら)を訪れ、金堂の四天王に酔いしれたあと、11月23
日より御開帳のお堂がたしかあったことを思い出し、西南院に向った。西南院は奈良時代の堂宇が立ち並ぶ當麻寺にあって比較的新しい感じがした。御開帳は西南院の三観音で右から聖観音・十一面観音・千手観音だ。春、奈良博の當麻寺展で、聖観音と十一面観音にお目にかかったが、千手観音は今回が初めての拝観となった。お寺の係りの女性によると、本当に1000本手があるいわゆる「真数千手」ですとのこと。平安時代の作で、細かい千手の細工がみごとだった。中央の十一面観音も平安時代の作で、足の長い細身の体型だ。眉がつながりかかった、目尻の切れあがる厳しい表情であり、着衣の衣文にも小気味よい切れ味がある。聖観音はおだやかなやさしい顔つきで三人三様の雰囲気が楽しめる。拝観を終え、御朱印をいただく際、係りの女性に薦められて、庭を散策したところまさに紅葉まっさかりで紅葉が鮮やかに映える庭と西塔のコントラストが絶妙だった。係りの女性に感謝して當麻寺をあとにした。
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